中国宮記

純ジャパ。中国語の宮殿に囚われて9年目。中国語(ネイティブチェック済み)の日記と日本語訳載せてます。語学勉強にぜひ。

2年の留学がたった半年になった、留学生の話

お題「#この1年の変化

 コロナが起こり、留学先の中国へ帰れなくなった。

 元々大学卒業後2年働いたが、それも留学に向けての資金集め兼ビザ取得(中国の就労ビザであるZビザは2年以上の就労経験がマスト、卒業後も中国で働きたい場合の為)のためだった。

 晴れて2年の就労を終え、中国の大学院に進学した半年後、コロナ直撃。その頃は中国にいたが、苦渋の決断で帰国を選択した。理由は卒論で、元々現地調査を予定していたが、この状況ではたぶん行えないと判断したので、日本語で書かれた書籍による文献研究に切り替えたためだった。これならば、現地調査を行わなくて済む。

 家で黙々とアマゾンで古書を物色する日々。わたしは日本の学生じゃないので、大学の図書館は入れてもらうことはできず、市立図書館では専門性が高いせいか、本がない。アマゾンで探すか、国会国立図書館から取り寄せるなどをして研究していった。

 そのうち、日本の大学なども始まり、ますます世の中から置いてきぼりを食らったように感じていった。自分よりつらい状況の人はいる、海外留学半年でもできたんだから贅沢だったんだ、そう思うようにしていたけれど、念願だった2年の留学が半年になり、さらに今年7月の卒業式にすら出れないかもしれない…そう考えると後ろ向きになることも正直ある。

 そんな中、コロナになり、外出もままならない状況になり、本をたくさん読むようになった。サブスクでアニメやドラマ、映画を貪るように見て、音楽を吸いつくように聞きまくった。兄に恋しちゃう女の子の話も、殺人鬼の残酷な話も、戦争でぼろぼろになりながらも生きていく話も、今からそいつを殴りに行く歌も、甘い不倫の歌も、普段より目から耳から入ってきた。

 そして何か運命的な劇薬作品にであった訳でもないのだが、徐々に思うようになった。この先も思わぬ出来事、ままならぬ出来事が起こるだろうけど、それでもこうやって日々を楽しめるように生きていくこと。そうすれば、この先もきっと乗り越えていけそうだ。

 そして考えることをやめないこと。悪い状況はできなくても当然となる。卒業できなくても、就職できなくても、みんなコロナのせいにできた。だからできない人にとって実は優しい世界なのだ。でも、それでいいのか。だから考えをやめたらいけない。それは自分の為なんだ。わたしは今オンラインを使い、中国人の友達とランゲージエクスチェンジ(言語交換、お互いの言語を教え合う勉強方法)や自分で貯めたお金を使い、英会話をイギリス人の先生と勉強している。半年後、外国語を二つマスターしてやるんだ。たとえ国と国が分断されようと、わたしは負けないぞ。コロナを言い訳なんてしたくないんだ。

 この楽しむことと考えることをゆっくりと鍛えていった一年だった。

 わたしは思う。こんな年だって、ちゃんと吸収していったんだぜって。